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[Azure/AzureVM] Azure VM 環境で RHEL を利用するときの考え方

こんばんは。

ここ数年、AWSに所属していたり、Microsoftの中の人になっていたりと変化が多いこの頃です。いろいろAzure のTips が溜まってきていることや、いろんな方に Microsoft Azure の理解を深めて頂きたいので、短い記事を連発していく予定です。

 

中の人になって、Microsoft はLinux に積極的に投資や活動をおこなっているな、と改めて感じました。

サティア・ナデラCEOになったときに Microsoft ♥ Linux と発信しはじめてから、以下のようなBlog が公開され、今でも閲覧可能になっています。


Microsoft Loves Linux - Microsoft Windows Server Blog

 

では、Azure VM 上でRHEL をご利用頂く際に、考えていくことを順番に書いていきます。大きくはこれらがわかれば使っていけると思います。

1.支払い方法

2.一般的にどのVMイメージを使うのか

3.Azure VM(オンデマンド) のRHELの更新プログラムはどうやって入手、適用するのか

 

1.支払い方法

支払い方法として、大きく2つあります。

1.オンデマンドの利用(Azure VM(RHEL)の従量課金の料金にライセンス費用を盛り込んで使う方法)

多くのユーザーがライセンスの管理が煩雑になるため、1のオンデマンドの利用をご選択いただいています。システム管理の観点で、ライセンスがXX年XX月に切れる、サブスクリプションがXX年XX月に切れる、保守がXX年XX月に切れる、のような管理を数百台、数千台のOS分管理するのはしんどいものです。

Excelで管理しているけど、最新かわからない、なんてよくある話。。

 

2.RHELのライセンスを持ち込んでAzure VM でお使い頂く方法

Azure上のVM利用時にもともと持っているRHELのライセンスを持ち込んで、Azure VMとして利用する方法があります。
Azure の月額の利用料は減るものの、サポート窓口がOS部分がRHEL社になるなど、運用観点でワンストップサポートにならないことが多いのが難点です。

 

2.一般的にどのVMイメージを使うのか

Azure Virtual Machine のイメージ選択時に ↓ を選びます。

実は、RHEL のイメージは複数種類あって、選ぶときにややこしい!と思うことが多々あります。今回もパット見だけでわかりずらいものがありました。例えば「Red Hat Inc」で検索をかけた結果がこちら。わかりずらい。

 

きちんとバージョンごとにOSイメージが用意されているのが本物なので、きちんと目的のイメージを選択するようにしてほしい。

 

3.Azure VM(オンデマンド) のRHELの更新プログラムはどうやって入手、適用するのか

オンプレミスやハウジング環境等でこれまでRHELを使っていた方は、オンライン上にあるRed Hatパッケージリポジトリを使用するために、Subscription Managerを使って登録したあと、Red Hat のレポジトリにアクセス可能か確認し、yumで更新するのが一般的でした。
もしくは、隔離された環境であれば、RHELのサイトへログインし必要なパッチを確認し手動アップデートを行っている人もいるかもしれません。

Azure VM としてRHELを稼働させる場合、RHELの更新プログラム適用については、すごく簡単になっています。

まず、Subscription Manager でRHELのサブスクリプションを登録などといった作業は不要です。

なら、どこからどうやって更新プログラムを入手するんや!ということになるわけですが、最新の更新プログラムを取得するには、sudo yum update の実行で更新可能です。

yum は大まかにいうとパッケージのインストールやアップデート、削除などを簡単に実行してくれるものですが、sudo yum update の実行で参照される先(レポジトリ)は、Azure RHUI になります。

(参考資料)

Red Hat Update Infrastructure - Azure Virtual Machines | Microsoft Learn

Azure RHUI については、上記の公開ドキュメントが参考となりますが、ポイントとしてはこの2つになります。

 ・Red Hat 社でホストされているリポジトリのコンテンツをミラーリングする

 ・Azure 固有のコンテンツを使用してカスタム リポジトリを作成する

つまり、Red Hat 社のレポジトリをミラーした場所のレポジトリが使用可能ということです。


一般的な、オンデマンドでの利用(Azure VM(RHEL)のご利用料金にライセンス費用が内包されている)の場合は、Azure RHUI にアクセスするための構成が事前に設定されているため、sudo yum update の実行で更新可能となっています。

 

yum 自体は一般的なRHEL系Linuxのコマンドのため、Azure 特有のことは特にありません。

 

更新プログラムリストを見る場合は、Updateinfo から確認できますし、セキュリティ重要度を知りたい場合は、 list security all オプションを書けばよいです。

# sudo yum updateinfo list security all

 

kernel に関するアップデートの情報を除外したい場合は、--exclude=kernel*  リストを追加すればよいです。

「--exclude」 指定することで除外されます。

# sudo yum updateinfo list security all --exclude=kernel*

(実行サンプル)

[root@RHEL8 ]# sudo yum updateinfo list security all --exclude=kernel*

Last metadata expiration check: 2:47:56 ago on Wed 21 Aug 2024 05:22:03 AM UTC.

RHSA-2024:2621 Important/Sec. bpftool-4.18.0-477.55.1.el8_8.x86_64

RHSA-2024:3810 Moderate/Sec.  bpftool-4.18.0-477.58.1.el8_8.x86_64

RHSA-2024:4740 Moderate/Sec.  bpftool-4.18.0-477.64.1.el8_8.x86_64

RHSA-2024:5255 Important/Sec. bpftool-4.18.0-477.67.1.el8_8.x86_64

 

実際にパッケージを適用の際は、yum updateinfo を yum update に変更し、オプションはそのままで実施することで除外したものを適用することが可能です。

 

Microsoft は  な会社なので、Microsoft Azure でRHEL使ってくれる人が増えるといいなと思っています。